2017年5月29日月曜日

釣りアイテムの話し その6

前回のネタからはや半年。
忘れたころに密かに更新して誰にも知られることなく自己満足する訳のわからないブログと化していますが、今回は三脚オモリ製作で残った鉛を使った自作シンカー(仕掛オモリ)ネタです。
仕掛の自作ってのは釣師において最初の階段といわれていますが(といいながら僕はまだそこにたどりついておらず、普通はそこからだろっとまわりに突っ込まれていますが)、シンカーの自作ってのは相当、ニッチでしょうw







昨年の釣果:人生初「マツカワー!」
「ハモー!」
ハモは20本以上あげました!











40オーバーは3枚ほど





最長記録でました!

そして「しゃけー」

いくらもげっとお!









今まで市販のシンカーを使いながら、もっと理想形があるんじゃないかと気になっていたのですが、先日いわゆる「ステルス」というシンカーが店に置いてあったので購入しました。北海道では知名度が高いこのシンカー。元祖の製造元がほにゃららして、レプリカ?再販売で「新型」の名がついて最近また出回っています。
左端が「ステルス」
赤いのが「弾丸」
まあ、「弾丸」にちっちゃい羽根がついているってだけなのですが、サクッっと浮いてくるので根がかりが少ないというのがウリです。
このたっかいシンカーを眺めながら、「もう一工夫して、理想のシンカーを追及してみようか・・」とスイッチが入ってしまったのです。

さて、ここでシンカーに求められる機能と対策を整理してみましょう。

1)飛ぶ・・・空気抵抗が少ないこと。正面から見て断面積が少ないほどいいはずです。そもそも比重の重い鉛に空気抵抗は関係あるのか?っていう突っ込みは却下です。市販品なら流線涙滴型の「弾丸」か、見付面積最小の「ミサイル」が最強でしょう。 

2)横風に流されない・・・横から見て投影面積が小さいほうが有利でしょうね。これも、風の影響を受けるのはラインでは?という突っ込みは却下です。

3)沈む・・・ま、これも1)と同じ条件でしょう。
  安価なはずの鉄のシンカーがはやらないのは比重による沈降速度や、空気抵抗のせいだと思われます。比重19.3のタングステン製が最強ですが、個人では加工できません。

4)転がらない・・・潮の流れに抵抗するために回転抵抗が必要なわけで、そのためには低い重心が重要かと。弾丸などの丸いタイプは不利ですね。

5)流されない・・・ラインに引っ張られてずるずると動かないためには底面積が大きいほど有利でしょう。三角オモリが最強かな。

6)巻いたらすぐ浮く・・・根がかり防止に。「ステルス」の機能ですが、縦になったら、2枚羽は無力では?

まとめると、「見付け面積を小さくして、回転抵抗と浮き上がりのために羽を3枚以上設け、底面積を大きくとる」というところに落ち着きます。

そして試行錯誤です。
とりあえず市販おもりに羽を付けてみます。
バルサ材や、スチレンボードをそれっぽく。
(市販オモリを元ネタにしても著作権云々いわれないかな・・・ま、売るわけじゃないから大目に見てくれるかな・・)


スチレンボードカットは模型作りで慣れたもの
結局これが一番扱いやすいです
2枚羽で試行








さらに自作で木を加工して羽を付けてみる







最終的には何のことはない、釣具屋で購入したフロートが最適です。
一番細長いのには、「ウルトラホーク」と名付けました。

粘土、買い占めました
鋳型の材料はモルタルは固すぎて抜けない。石膏は脆すぎてすぐ割れる。ならばと、石膏とモルタルを混合したらどういう訳か超速硬でビックリ。
羽は3枚以上という結論です。
右はステルス改
弾丸に4枚羽
でも底板面積が小さいから不利かも・・・ 
結論は石粉粘土や白セメント(共に100均)に落ち着きました。

型枠はタッパや牛乳パック、シンカーサイズが大きい時は日本酒パックを使います。
型枠は牛乳パックがお勧め


補強に割りばしで
剥離剤は必須
補強がないと雄型が決まりません


注ぎ口と空気抜きはあらかじめ打ち込んで、ビーズ玉使って固定穴作ると馴染みます。
空気穴の整形等は後でルーターで削るのがベストという結論です。
タッパでもいけます

まあ、とにかく細かいコツ的なことはいっぱいあるんですが、本1冊ぐらいにはなってしまうので、ざっくりいきます。

おなじみの鉛を溶かして、型枠に流し込んで出来上がり~
っていうと成功率高そうですが、結構、ロスが多いです。
型があったまるまで数回はスカスカになり、あまりに熱くなると型が割れます。経験的には15個くらい成功したらお休みって感じ。そのあと、石粉粘土で型を補修しないと破損します。


溶かした鉛を
フックはステン針金
1.2Φをまげて、テープで仮止めしておきます。
クランプで押さえた鋳型に流して


うまくいけば量産型ザクw










羽が大きいと破損率が高くなります。
どんどんエスカレートして、ほとんど羽だけタイプも作ってみましたw
よし、これ超遠投用!っと思って投げたら、めっちゃ横風に弱いことが判明!これは横風でつかえませんw
パカッと開くと出来上がり
抜いた後はニッパーはみ出したとこを切り取り、バリ取りします。グラインダーはないので電動ドライバーに砥石ドリルでなでなで、これを手抜きすると怪我すると思われます。
仕上は塗装。
水性の塗装缶にドブ漬けして丸1日、吊るし乾燥です。
ドブ漬けして、最後は蛍光スプレーして出来上がり!
あとで号数がわかるように色分け
27、30、33、35、38の5タイプに分類しておきます
基本、最終目的地はハモ釣りなわけで、ここは夜光塗装が王道でしょう。
最後はひと瓶1000円の夜光塗料を塗って
アマゾンでGETした夜光塗料を塗ってみます。
おお!これは怪しく誘います
100均のビーズにも・・・
怪しく誘う~ww

さて、ここまでが鋳型方式です。
次にシンメトリーでないシンカーを作るために、坪鋳型でやってみます。
2枚羽タイプ
さすがにネットを見渡しても、この工法は誰もやってなさげですw

形状は三角オモリに羽根つき
底面積が大きいし、重心も低いし、空気抵抗も小さいから、結局このタイプが万能かもしれません。
しかしシンメトリーではないので、通常の鋳型抜きでは不可能です。

コーヒーカップに石粉粘土を詰めて、型を押し込みます。
乾燥には最低1週間から状況によって2週間はかかります。
表面が乾燥したらコップから抜いて内部を乾燥させないといつまでたっても硬化しません。
完全に乾燥する前にあせって鉛を打つと悲惨なことになります。


2枚羽より3枚羽の方が浮き上がりやすそうですが、とにかくいろいろ作ります。
でも羽が多いと、抜きにくくて、破損のリスクも高くはなりますが。
うまく35号くらいになるように加減しますが、
これはもう、経験するしかありません。
そして鉛投入。
フックは鉛を注いだ後に、鉛が固まる前に差し込み、固まるまでプライヤーで押さえてます。
うまくいけば大量生産が可能で、調子に乗ってると30個くらいは作っちゃいます。

結論的にはシンカーの機能原則、製作難易度、生産性として、これが最強ではないかと考えるに至ったのです・・・・
(この結論まで3周くらいしたのですがw)



試験管に羽とか



昨年秋から始めて半年。あれやこれやしながら、試したパターンは30を超え、部屋中鋳型と型シンカーだらけに!ってほどのことはないけど、数10の形式で作ったシンカーは300を超えてしまいました。余った鉛で作業のはずが、追加で購入した鉛は50kg!もう、何屋さん?って感じに。
これだけ試せばそのうち理想のシンカーがいつか・・・
しかも市販シンカーに比べコストが3分の1になるはずだったのに、かえってめっちゃ高いシンカーになってしまったorz
そして大量のシンカーが占拠することに・・・
そして大量のシンカーが・・・
消費するのに、一体何年かかることやら・・・

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