
仕掛の自作ってのは釣師において最初の階段といわれていますが(といいながら僕はまだそこにたどりついておらず、普通はそこからだろっとまわりに突っ込まれていますが)、シンカーの自作ってのは相当、ニッチでしょうw
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昨年の釣果:人生初「マツカワー!」 |
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「ハモー!」 ハモは20本以上あげました! |
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40オーバーは3枚ほど |
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最長記録でました! |
そして「しゃけー」 |
いくらもげっとお! |
今まで市販のシンカーを使いながら、もっと理想形があるんじゃないかと気になっていたのですが、先日いわゆる「ステルス」というシンカーが店に置いてあったので購入しました。北海道では知名度が高いこのシンカー。元祖の製造元がほにゃららして、レプリカ?再販売で「新型」の名がついて最近また出回っています。
左端が「ステルス」 赤いのが「弾丸」 |
このたっかいシンカーを眺めながら、「もう一工夫して、理想のシンカーを追及してみようか・・」とスイッチが入ってしまったのです。
さて、ここでシンカーに求められる機能と対策を整理してみましょう。
1)飛ぶ・・・空気抵抗が少ないこと。正面から見て断面積が少ないほどいいはずです。そもそも比重の重い鉛に空気抵抗は関係あるのか?っていう突っ込みは却下です。市販品なら流線涙滴型の「弾丸」か、見付面積最小の「ミサイル」が最強でしょう。
2)横風に流されない・・・横から見て投影面積が小さいほうが有利でしょうね。これも、風の影響を受けるのはラインでは?という突っ込みは却下です。
3)沈む・・・ま、これも1)と同じ条件でしょう。
安価なはずの鉄のシンカーがはやらないのは比重による沈降速度や、空気抵抗のせいだと思われます。比重19.3のタングステン製が最強ですが、個人では加工できません。
4)転がらない・・・潮の流れに抵抗するために回転抵抗が必要なわけで、そのためには低い重心が重要かと。弾丸などの丸いタイプは不利ですね。
5)流されない・・・ラインに引っ張られてずるずると動かないためには底面積が大きいほど有利でしょう。三角オモリが最強かな。
6)巻いたらすぐ浮く・・・根がかり防止に。「ステルス」の機能ですが、縦になったら、2枚羽は無力では?
まとめると、「見付け面積を小さくして、回転抵抗と浮き上がりのために羽を3枚以上設け、底面積を大きくとる」というところに落ち着きます。
とりあえず市販おもりに羽を付けてみます。
バルサ材や、スチレンボードをそれっぽく。
(市販オモリを元ネタにしても著作権云々いわれないかな・・・ま、売るわけじゃないから大目に見てくれるかな・・)
スチレンボードカットは模型作りで慣れたもの 結局これが一番扱いやすいです |
2枚羽で試行 |
さらに自作で木を加工して羽を付けてみる |
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最終的には何のことはない、釣具屋で購入したフロートが最適です。 一番細長いのには、「ウルトラホーク」と名付けました。 |
粘土、買い占めました |
羽は3枚以上という結論です。 右はステルス改 |
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弾丸に4枚羽 でも底板面積が小さいから不利かも・・・ |
型枠はタッパや牛乳パック、シンカーサイズが大きい時は日本酒パックを使います。
型枠は牛乳パックがお勧め |
補強に割りばしで |
剥離剤は必須 |
補強がないと雄型が決まりません |
注ぎ口と空気抜きはあらかじめ打ち込んで、ビーズ玉使って固定穴作ると馴染みます。
空気穴の整形等は後でルーターで削るのがベストという結論です。
タッパでもいけます |
まあ、とにかく細かいコツ的なことはいっぱいあるんですが、本1冊ぐらいにはなってしまうので、ざっくりいきます。
おなじみの鉛を溶かして、型枠に流し込んで出来上がり~
っていうと成功率高そうですが、結構、ロスが多いです。
型があったまるまで数回はスカスカになり、あまりに熱くなると型が割れます。経験的には15個くらい成功したらお休みって感じ。そのあと、石粉粘土で型を補修しないと破損します。
溶かした鉛を |
1.2Φをまげて、テープで仮止めしておきます。
クランプで押さえた鋳型に流して |
うまくいけば量産型ザクw |
羽が大きいと破損率が高くなります。 |
よし、これ超遠投用!っと思って投げたら、めっちゃ横風に弱いことが判明!これは横風でつかえませんw
パカッと開くと出来上がり |
仕上は塗装。
水性の塗装缶にドブ漬けして丸1日、吊るし乾燥です。
ドブ漬けして、最後は蛍光スプレーして出来上がり! |
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あとで号数がわかるように色分け 27、30、33、35、38の5タイプに分類しておきます |
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最後はひと瓶1000円の夜光塗料を塗って |
アマゾンでGETした夜光塗料を塗ってみます。
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おお!これは怪しく誘います |
さて、ここまでが鋳型方式です。
次にシンメトリーでないシンカーを作るために、坪鋳型でやってみます。
2枚羽タイプ |
形状は三角オモリに羽根つき
底面積が大きいし、重心も低いし、空気抵抗も小さいから、結局このタイプが万能かもしれません。
しかしシンメトリーではないので、通常の鋳型抜きでは不可能です。
コーヒーカップに石粉粘土を詰めて、型を押し込みます。
乾燥には最低1週間から状況によって2週間はかかります。
完全に乾燥する前にあせって鉛を打つと悲惨なことになります。
2枚羽より3枚羽の方が浮き上がりやすそうですが、とにかくいろいろ作ります。
でも羽が多いと、抜きにくくて、破損のリスクも高くはなりますが。
うまく35号くらいになるように加減しますが、 これはもう、経験するしかありません。 |
フックは鉛を注いだ後に、鉛が固まる前に差し込み、固まるまでプライヤーで押さえてます。
うまくいけば大量生産が可能で、調子に乗ってると30個くらいは作っちゃいます。
結論的にはシンカーの機能原則、製作難易度、生産性として、これが最強ではないかと考えるに至ったのです・・・・
(この結論まで3周くらいしたのですがw)
試験管に羽とか |
昨年秋から始めて半年。あれやこれやしながら、試したパターンは30を超え、部屋中鋳型と型シンカーだらけに!ってほどのことはないけど、数10の形式で作ったシンカーは300を超えてしまいました。余った鉛で作業のはずが、追加で購入した鉛は50kg!もう、何屋さん?って感じに。
これだけ試せばそのうち理想のシンカーがいつか・・・ |
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そして大量のシンカーが占拠することに・・・ |
消費するのに、一体何年かかることやら・・・
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