たて続けの竣工報告です。
本日、「
苫小牧高齢者複合施設みやまの里」で内覧会と竣工祝賀会が催されました。
内覧会に来られた方は2日間で700人にのぼったそうです。
42室の住戸は満室スタート。競争率は申し訳ないほど高かったそうです。(もう1軒埋まるくらいだったとか・・・)
サービス付高齢者向け住宅の登録を受けた複合施設。
4階にユニット型ショートステイ10室×2ユニット。2、3階は住戸とラウンジ。
1階はデイサービスと食堂・多目的ホール、訪看・訪介・居宅支援事業所と法人本部。
延べ面積2466㎡のRC4階建て耐火建築物で、外断熱工法を採用しました。
祝賀会には苫小牧市長をはじめ、地域の方々に出席していただき、大賑わい。
特にオープニング「勤医協友の会うたごえサークル赤い実」の合唱はとてもすてきで心地よいものでした。
この事業も丸3年以上の歳月で完成に至りましたが、振り返ってみると・・・・・
初めて事業計画の相談を受けたのが2009年7月。その時点では木造2階建ての地主リースバックで計画が進んでいました。しかし結局地主の都合で計画が頓挫して振り出しに戻り、弊社に改めて相談があったので、「苫小牧病院の駐車場として使っている、あの土地って使えないですかねえ」とちょっと無茶かな・・・と思いながら選択肢の一つとして提案すると瓢箪から駒。代替駐車場を市から緑地帯を借りることで対応できることになり、地主の了解も得ることができてその方向で計画がスタートしました。
その次に弊社が提案したのは「高優賃かしわの杜」、「黒松内高優賃ふきのとう」に続く3番目の高優賃制度活用です。ちょうど黒松内の計画で北海道住宅課と協議を繰り返した結果、廃止されていた道優賃制度について、「市町村(地方公共団体)の意向があれば道として認可する」との制度再策定の方針転換を引き出したところでした。この特待措置を使わない手はありません。さっそく苫小牧市との交渉です。
しかし、これがとんでもないハードルで、建設部や保健福祉部に交渉を申し入れ、次長クラスをはじめとする10人くらいを相手に「市営住宅の建設・維持よりもはるかに財政負担が少なくなる」「苫小牧市として高優賃を擁して福祉の町づくりを推進すべきだ」など熱弁をふるっても糠に釘。「予算がない」とバッサリです。市議にもお願いして交渉に同席してもらい、何度か協議しましたが、さっぱり進みません。半年ほどかけたところで長期戦になりそうだと判断し、この方向は断念することになりました。市職員に対峙すると、つい労働組合の「対市交渉」の癖が出てしまったのが敗因では・・・と反省しきりです。
高優賃には淡い期待をしていましたが、自治体が首を縦に振らないことも織り込んで、もう一本の可能性も追及していました。
2010年1月。とある自治体の方から「どうやら来期に補助金の付く高齢者住宅の新しい制度ができるらしい」との情報と、省内文書らしき国土交通省の「高齢者等居住安定化推進事業の創設」という資料を入手していました。各方面に問い合わせてもまるでかん口令が布かれているかのごとき情報の少なさではありましたが・・・
その段階ではあっても建設委員会で「はっきりするまでは様子を見るべき」とアドバイスしたのは、補助金事業というものは工事契約してしまうと補助が受けられなくなるのが一般的で、仮に10%の補助が出るだけで利回り分が確定するようなものだからです。逆に言えば家賃を10%安く設定できるという事でもあり、法人の運営上にとっても住居の入居率に関しても大きな担保になるからです。
案の定、2010年8月に制度内容が明らかになり、高優賃を断念しても2本目のレールに乗って計画を進めることになったのです。